混雑時における車椅子の危険性。車椅子前への急な割り込み禁止!
みなさんこんにちは!
今回は僕が車椅子に乗っているときに「それ危ないからほんまやめてほしいなあ」と感じることについてお話します。
「社会問題」とまで言ってしまうと大げさかもしれませんが、十分「事故」にはつながりうる体験談・経験談です。
とはいえこれは僕だけでなく、車椅子ユーザーの方、特に都会や人の多い場所への外出が多い方にとってはよく経験することだと思います。
それに話を広げると、今回の内容は小さな子どもを守ることにも繋がると思います。
この記事を通じて、改めて多くの方に知っていただきたいと思います(`・ω・´)!
↑↑僕の愛車です(笑)本邦初公開(*'▽')!
人混みの好きな点と嫌いな点
人混みが好きという物好きな方います?
いきなりですがみなさん。人混みはお好きですか?
…ほとんどの人がお嫌いですよね、たぶん。笑
僕も今は嫌いです。でも元々はそんなに嫌いではなかったんですよ。と言うのも、人が多ければ多いほど人混みに紛れることができるからです。こう言うと僕がヤバイ奴みたいに思われますね…笑
人混みの好きな点
では人混みに紛れることの何が良いのか。
理由は簡単です。自分の障害が目立たなくなるからです。これが人が少ないとなると、まあ目立つんですよね。僕以外にも、障害のある方の中にはこう思われる方も多いのではないでしょうか。
特に僕の場合は障害の中でも特殊な障害ですし、他にあまりいないタイプなので…。一歩外に出るとまぁ見られる見られる。「おれ芸能人やったっけ?」ってくらい見られます。あるいは「おれ何か悪いことでもした?」っていうくらいに。
「ここは地獄か」と感じることもあるくらいです。笑
それが人混みに入ると目立たなくなるので、精神的にはかなり楽になれるんです。
人混みの嫌いな点
ただ上記のメリットは、僕が「歩いている時」限定です。
これが車椅子を使って移動するとなると話は180度変わるんです。
まぁしんどいですね、人混み。
歩くだけなら別に問題ないんですよ。
流れに身を任せれば良いし、前が遅くて抜かそうと思えばスペースを見つけてサッと抜かしていけば良いし。
でも車椅子だとそういうわけにはいきません。
とっさに反応したり動いたりすることが難しいんです。機敏な動きなんてまあ不可能です。
自分の体を動かすことと、乗り物を動かすことでは大きなタイムラグがあります。
それもあって、電動車椅子を使うにしろ、手押しの車椅子を押してもらう場合にしろ、めちゃくちゃ神経を使います。
常に360度意識を配りながらになるので、まぁ気疲れの半端ないこと。
「人にぶつからないようにしなければ」
ずっとこう考えているので、基本的に頭痛は不可避です。笑
歩く際は周囲に目配りを
急な立ち止まりや反転は危険です!
とっさに反応できない、回避できないからこそ、僕は車椅子で移動する時は歩く時の倍以上、周りに注意しながら移動します。
が…相手が周りを見ていないとなるとどうしようもないんですよね。
前を歩いている人が後ろも見ずに、いきなり止まったり反転したりしたくらいならもう…笑
こちらとしてはそういった不測の事態に備えて、かなりスペースをあけて移動しています。
ただ後ろにも人がいますし、人の流れに乗って進んでいる以上、どうしようもないことも多々あります。
それこそ前の方が普通に歩いていて、こちらが相手にぶつかってしまうとこちらが完全に悪いと思います。
が、いきなり立ち止まられたり向きを反転されたりしてぶつかって…それで睨まれることも多々あるんです。
これってこちらが悪いのでしょうか。
あまりに理不尽な時は僕の怒りが収まらないこともあるんですよね。笑
ぶつかりたくない、痛い思いをしたくないなら、ただ歩くという単純な行為であっても、もっと周囲に注意してほしいと思います。
歩いているのは自分一人ではないのですから。
人混みとなるとなおさらです。
あまりにも身勝手に歩くのはどうかな、と苦言を呈したいです。
後ろに子どもがいるかもしれないと考えて
僕のような車椅子ユーザーにとっては瞬時の判断と行動を取るのが難しく、だからこそ一般の歩行者のみなさんにも注意してほしいと話しました。
が、何も自分の後ろにいるのは僕たちのようなマイノリティな人間に限ったわけではありません。むしろ子どもが歩いていることなんて多々あるわけですよね。
そして車椅子ユーザーにせよ子どもにしろ、やっぱり背丈が低い、高さがないわけです。だから、大人が普通に立った状態で、そのまま振り返ると瞬時に視界に入らないことも多分にあると思います。それが特に注意を払うこともなく、いきなり立ち止まったり振り返りざまに歩き出したりすると…後ろの人とぶつかることや蹴飛ばしてしまうことも考えられますよね。
でもそれって意識次第で防げる事故だと思うんです。いくら悪気はないにせよ、人混みの中で誰かとぶつかるとお互い決していい気はしません。だからこそ、ある程度は周囲を注意して見回せて、とっさに動ける人が注意すべきなのではないかと思います。
もちろん僕も注意しますし、他の車椅子ユーザーの方も注意すべきだと思います。
ただ子どもに関しては、それが簡単にできるわけではないですから、やはり大人が防げる事故は防ごうとする意識を持つべきだと思います。
急な割り込みダメ、ゼッタイ
無意識な行動と咄嗟の行動
ここまでは
「後ろも見ずに急に立ち止まらないで」
「急に反転しないで」
という話を進めてきました。
が、僕が思うにこれはわりと仕方のないことなのかなという気もしています。もちろん周りに注意するに越したことはないですが、誰だってとっさに行動してしまうことくらいありますもんね。それを絶対にしないで!とはさすがに言えないです。無意識のうちにしていることですから。
ただ、割り込みとなると話は変わってきます。
割り込む行為自体を自重してほしいわけではありません。誰だって慌てている時くらいありますし、前を歩いている人が遅くてどうしようもない!だから空いているスペースを見つけて追い越す、なんてことはまぁ一般的な行動だと思いますから。
狭いスペースへの意図的な割り込みはやめて!
ですが、意図的に、車椅子の前に急に割り込むことはご遠慮願いたいんです。
ここまで何度もお話してきたとおり、車椅子ユーザーは生身の人間が歩いているのではなく、物を扱って移動しているわけですから、急に止まったり方向を変えたりすることができません。お互いが危ないんです。
もちろん人混みでなかったり、人混みであっても車椅子の前に広めのスペースがあれば話は別ですよ。危険性がない場合は追い越していただいて結構です。
ですが…わりとあるんですよね、「え、こんな狭いスペースに割り込んでくる?嘘やろ?( ;∀;)」という場合が。
普通に人が歩いていてもぶつかりそうなくらいのスペースに身をねじ込ませてくるんです。笑
ああいう行為は正直考えられません。
そもそも「あなたのためにスペースを空けているわけではないんですよ。」と言いたい。
前の人とぶつからないように、前の人が急に立ち止まっても大丈夫なようにわざと空間を確保しているんです。その絶妙な距離を保つためにこっちはどれだけ神経を尖らせているか…笑
身勝手な行為によるケガに責任は負えません
まあそんな中で割り込まれて、仮にぶつかってしまっても「こちらに非はない」と思っていますけどね。気分としては最悪ですけど。
ただ、「怪我をするのはあなたですよ」となってきます。普通の車椅子であればぶつかっても、あるいは車椅子に足を踏まれてもそれほど大きな怪我にはならないでしょうけど、電動車椅子となると話は変わります。
重たいものだと車椅子だけで100キロ近いものもあります。そこに人が乗っているんですから、その重量たるや相当なものになります。
そんなのにぶつかられたり足を踏まれたりしたら…最悪の場合骨折しちゃいます。
もちろん怪我なんてしたくないでしょうし、車椅子ユーザーとしても怪我をさせたくはありません。
だからこそ、強引にスペースに割り込むのは避けていただきたいんです。そんなことで揉めるのは馬鹿馬鹿しいですもんね。
親の役目と責任
車椅子あるある「子どもが近いと正直こわい」
あとよくあるのが、人混みに限らず子どもが前に飛び出してくるパターンです。
なんだか車を運転している時の話をみたいになっていますね。笑
でも、僕が車椅子を使用するときは、車を運転するときと同じくらい周りに注意しています。普通に歩いている人からすれば、車椅子ユーザーは楽そうに見えるでしょう。確かに身体的にはそうかもしれませんが、精神面、神経面では単純に歩く時の何倍も疲れるんですよ。笑
話が脱線しそうなので元に戻しますね。
この子どもが飛び出してくるパターン。もちろんこちらは子どもが近くにいるとめちゃくちゃ注意します。それこそ普段の何倍も。
ただそれでも冷やっとする場面は起こってしまいます。その場合、こちらに一方的に非があると思わないでほしいんです。おそらく多くの車椅子ユーザーが最善を尽くしていると思うので。
そして、これは場合にもよりますが、子どもにも基本的には非はないと思います。周りが見える、物事を考えられるくらいの歳になれば「もっと気をつけなさい!」と内心思うものですが、小さい子どもはそこまで考えられませんし、そもそも視野が大人の半分くらいしかないため、周囲を見なさいと言うのも無理がありますから。
だからこそ、親が注意していてほしいんです。
親の責任と役目
最近になって特に思うことですが、まあ子どもを放置している親が多い印象を受けます。子どもが何をしようが子どもの勝手でしょ?みたいな顔をしている親がすごく多い。子どもなんだから何をしても仕方ないでしょ?というスタンスかもしれませんが、それは大きな間違いだと思います。
もちろん子どもがしてしまうことは仕方ありません。ただそれを起こさないようにする、起こしてしまったらきちんと叱ることが親の役目です。相手に迷惑をかけた場合は代わりに親が謝る。子どもが小さなうちは当たり前だと思います。
ほんとによくあるんです。ショッピングモールなどで車椅子で移動していると、親が見ているにもかかわらず、一方的に子どもが車椅子に突っ込んできても、ヘラヘラして何も言わない親が。
これはほんとに解せません。子どもはまあいいですよ。おそらく何もわかっていないし、そんな親の元で育っているからろくな教育を受けていないこともわかりますから。
でもね、やっぱり親は形だけでも「すみません」と一言言うべきだと思うんです。それを「子どもだから仕方ないでしょ」はおかしいと思うんですよね。まずは相手に一言謝る、そして自分の子どもに危ないことを知らせる。これが親の役目ではないのですか?
百歩譲ってぶつかられた僕はまあいいです。よほどがない限り大事には至りませんから。でも、ぶつかった子どもが怪我をしたら…とは考えないのでしょうか。
先ほども話しましたが、車椅子、特に重たい電動車椅子には相手を簡単に傷付ける力があります。こちらが望まずとも。だからこそこちらは細心の注意を払っています。
ただしその注意が一方的なものにならないよう、親も我が子を守るためにも、きちんと教育はするべきだと思います。
ただ皮肉なことに、そういった当たり前のことを考えられない大人が、上で話したように前に平気で割り込むような人間なのでしょうね。そしてそういった教育を受けていない子どもが大人になって同じことを繰り返すんでしょう。そうして良くない世界は作られていくということを、もっと多くの方に認識してほしいなと思います。
世の中の「バリア」を減らすために
身近な日常にほどバリアは潜んでいます
どうすれば誰もが安全に移動できる日がくるのでしょう。今日話したことなんて、何もそもそもが危険な車の話なんかじゃないんです。普通に歩ける、移動できるはずの空間での話なのに…こういった声はなかなか届かないのが現状なんですね、悲しいことに。
僕はこれまで身障者用トイレの話や、電車の優先座席・車椅子スペースの話、そして点字ブロックの話など、障害のある方のバリアを少しでも取り除くためのお話をしてきたつもりです。
・身障者用トイレに関する記事
・電車の優先座席・車椅子スペースに関する記事
・点字ブロックに関する記事
そして今回のお話もそうです。家から一歩外に出て、街中を歩く。多くの方にとって当たり前である行為が、人によっては困難を伴うこともあるということの代表例だと思って書きました。
障害に対する認識や理解は一人ひとり異なると思います。特に一般の方にとっては、正直なかなか考えもできない事柄だと思います。
ただ、せめて一つだけでも知っていただきたいのは、上で書いたような身近な、日常的な出来事や生活に対して困難があるからこそ「障害が障害たるもの」になってしまうということです。
たまにしか起こり得ない、経験しないことに対する障害なんてレベルとしてはそんなに大きくないと僕は勝手ながら思っています。
でもそれは裏を返せば、日常レベルの小さな障害を一つずつでも取り除いていければ、障害を感じることが少なくて済むということです。それはそのまま障害のある方の幸せにつながることだと僕は思います。少なくとも僕は自分自身そう感じます。
みんなのQOL、向上させませんか?
僕は障害のある方のためだけに「もっとインフラを整えろ!」だの「憲法や法律を変えろ!」だの大きなことは言いません。
多くの方にとって変えることが望ましいことであれば早急に変えるべきだと思いますが、代償が大きいにもかかわらず、あくまでも一部の方のメリットにしかならないことであれば、優先順位が低くなるのは当たり前のことですから。
でもそうじゃなしに、例えば今回の話。
「人混みの時は周りに注意して歩いてくださいね」
「車椅子前のスペースに強引に割り込まないでくださいね」
これって簡単な話だと思いませんか?
莫大なお金が掛かることでもなければ、誰かの犠牲の上に成り立つことでもありません。
そうです。一人ひとりがほんの少し意識の持ちようを変えるだけで実現できることなんです。
それだけで、障害のある方のQOLは確実に向上します。街に出向く可能性も大きく広がります。
そうして誰かの障害を一つでも取り除く、和らげることができるなんて、素敵なことじゃないですか?
大げさかもしれませんが、今日から、そして今すぐにできる簡単な社会貢献だと僕は思います。だからこそご協力をお願いしたいと強く思っています。
それが…僕のQOLを向上させることにもなりますからね( ̄∀ ̄)笑
と最後にオチをつけたところで。笑
今回は話を締めくくりたいと思います。
長文になってしまいましたが、ご一読ありがとうございました(`・ω・´)!